下衣民族服の快適性・機能性に関する研究

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タイトル別名
  • Study on Functionality and Comfortableness of Ethnic Clothing Worn on the Lower Half of the Body
  • シャルワールとバジに着目して
  • with a Particular Focus on Shalwar, Baji

抄録

目的  民族衣装には,気候・風土に適応可能な素材の選択,姿勢・動作を含む生活様式を反映したデザインの工夫等,長い年月にわたり積み重ねられてきた知恵が詰まっている.本研究では,アジアにおける民族服の下衣に着目し,素材とデザインが温熱的快適性,運動機能性へ及ぼす影響について検討を行った.<br>方法  被験者は23±1歳の若年女性5名,実験衣はシャルワール(インド),バジ(韓国),ストレートパンツ(現代服)の3種である.運動機能性評価としては,同一素材で製作した実験衣を着用し,9種の動作時(立位,椅座,正座,胡坐,立膝,横座り,体育座り,日本のお辞儀,韓国のお辞儀)における衣服圧測定と官能評価,温熱的快適性評価としては,各市販品(ポリエステル100%・重量約200gで統一.インド,韓国,東京で購入)による物性試験と衣服気候計測(27℃・50%RH環境下で立位安静→足踏み運動→座位安静)を行った.<br>結果  シャルワールは,通気性と透湿性に優れ,接触冷温感が高く,暑熱気候への適応性が示された.バジは,接触冷温感が低く,衣服内温度は高く,防寒機能に優れていると考えられる.現代服は,正座,胡坐,立膝,日本と韓国のお辞儀において,高い衣服圧を示し,床に座っての姿勢や動作の多い“伝統的所作”に適さない様子が明らかとなった.

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205561037056
  • NII論文ID
    130005470425
  • DOI
    10.11428/kasei.66.0_252
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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