マウス妊娠黄体の形成における時計遺伝子<i>Bmal1</i>の関与  [in Japanese]

Access this Article

Author(s)

Abstract

[目的]哺乳動物の卵巣や子宮などの生殖器官における時計遺伝子の役割が,近年報告されている。時計遺伝子のなかでも,<i>Bmal1</i>は概日リズムを形成する基本的なメカニズムに関与している。卵巣において,<i>Bmal1</i>は性周期中の黄体のP4産生に関与することが知られているが,妊娠成立における<i>Bmal1</i>の役割については不明な点が多い。そこで本研究では,<i>Bmal1</i> KOマウスを用いて,妊娠成立における<i>Bmal1</i>の関与を詳細に検証した。[方法]供試動物には11–22週齢の<i>Bmal1</i>野生型,ヘテロ型およびKO型マウスを用いた。野生型,ヘテロ型およびKO型の雌マウスをそれぞれ野生型の雄マウスと交配させた。プラグが確認できた日を妊娠0.5日とし,妊娠10.5日に解剖を行い,採血,卵巣採取および子宮内胎子の有無の確認を行った。妊娠率は,妊娠個体数/供試個体数として算出した。採血サンプルは,血中P4濃度の測定に用いた。採取した卵巣は,組織切片を作製し,ヘマトキシリン・エオシン染色を施し,黄体の有無を調べた。[結果]野生型,ヘテロ型およびKO型マウスの妊娠率は,それぞれ100%(7/7),75%(6/8)および0%(0/5)であり,KO型マウスが他の遺伝子型マウスに比べ有意に低かった。また,KO型マウスの血中P4濃度は,野生型およびヘテロ型マウスに比べて有意に低かった。さらに,卵巣内の黄体の有無について確認したところ,野生型およびヘテロ型マウスの卵巣内には黄体が確認されたのに対し,KO型マウスの卵巣内には黄体は存在しなかった。[考察]<i>Bmal1</i>は,妊娠黄体の形成に関与することが示され,妊娠の成立・維持に重要な因子であることが示唆された。交尾刺激を受けたマウスでは,黄体内の20α-HSD遺伝子の発現が阻害されることにより,性周期黄体が退行せず妊娠黄体になる。これらのことから,<i>Bmal1</i>は黄体内の20α-HSD発現を阻害する機構に関与している可能性がある。

Journal

  • The Journal of Reproduction and Development Supplement

    The Journal of Reproduction and Development Supplement 107(0), OR2-28-OR2-28, 2014

    THE SOCIETY FOR REPRODUCTION AND DEVELOPMENT

Codes

Page Top