WRF-LETKFを用いた平成25年8月島根県西部豪雨の数値実験

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  • Numerical Experiment on Heavy Rainfall in Western Shimane Prefecture in August Using WRF-LETKF

抄録

近年,気候変動が問題とされており,それに伴う集中豪雨も多発傾向にある.集中豪雨のように,限られた地域において,短時間かつ多量の降雨が発生する場合,内水・外水氾濫,の発生が懸念される.そのため,XRAINのような豪雨を観測する手法とともに,豪雨を予測する手法はその重要性を増している. また,早期に集中豪雨および豪雨災害を予測するシステムを構築するには,数値モデルのような予報時間が長い手法が有効であると考えられる1).本研究ではWRF(Weather Research Forecasting model)を用いて,豪雨を事例とした数値実験を実施することで,そのモデルの精度の検証することを目的とする.また,数値モデルの課題である初期値鋭敏性を改善する手法として,局所アンサンブル変換カルマンフィルタ(Local Ensemble Transform Kalman Filter, LETKF)を適用し,その有効性についても検証する.<br>本研究では,2013年8月23日から25日にかけて,島根県西部を中心に発生した島根県西部豪雨を対象とした.解析領域は西日本全体と韓国を四角形に囲む領域に設定した.LETKFを実行する際に,初期値は適切なバラつきを有している必要性がある.そのため,本研究では初期値摂動の作成法として,異なる日付の同じ時刻を初期値とし,共通の境界条件を用いた2日間のスピンアップ計算を行った.積分時間は,2013年8月21日0時から8月25日9時とした.<br>本研究で得られた知見を以下の通りである. 1) 島根県浜田市における強降雨が発生することを定性的に再現したが,総降雨量を過小評価した. 2) データ同化を実施することで,同化しない場合よりも,雨量分布が改善され,同化手法の有効性を確認した. 3) 下層の水蒸気輸送に加え,湿舌による上層の水蒸気輸送が豪雨の発生の要因となっていることを示唆した.

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680688880384
  • NII論文ID
    130005481990
  • DOI
    10.11520/jshwr.27.0_100045
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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