インターネットによる地理学界の情報コミュニケーション

書誌事項

タイトル別名
  • Internet Communications in the Geography Community
  • 「歴史地理学メーリングリスト」への投稿の分析
  • An analysis of the posts on the Japanese Mailing List of Historical Geography

抄録

本発表は、インターネットによる地理学界の情報コミュニケーションのうち「歴史地理学メーリングリスト」(以下、MLHG)を取り上げ、その概要を紹介し、投稿の分析を行なう。MLHGは、2002年1月、複数の若手歴史地理学研究者によってつくられた。メンバー数(登録アドレス数)は、2014年4月時点で153名であった。正式発足から2014年3月までの投稿数は約6300通であり、抽出した694件を分析した結果は次のとおりである。<br><br> 投稿内容は博物館展示関係が最も多く、3割以上を占め、単行本関係、学会・研究会関係、雑誌関係と続く。投稿内容を、地理学全般のメーリングリストchiriと比較すると、職務としての投稿が多いchiriでは、学会・研究会などのイベントの関係者が、そのPRを行なうものが目立つのに対して、ほとんどが第三者のボランタリーな情報提供であるMLHGは、投稿者の研究関心に基づいていると言える。投稿者については、特定の1メンバーの投稿に大きく依存している点が特徴である。MLHGの投稿内容の傾向は、このメンバーの研究関心を反映している。<br> <br>MLHGを含め、インターネット上の情報コミュニケーションを今後の地理学史研究の対象として想定した場合、課題は、ウェブ上のデータをいかに保存できるか(アーカイブ化できるか)ということである。

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