森林地域におけるカメラトラップ法を用いたニホンジカの密度推定手法の確立

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タイトル別名
  • Development of density estimator for sika deer population using camera-trap survey in forest area

抄録

ニホンジカ(以下、シカ)個体群を管理するために、全国各地で区画法や糞粒・糞塊法など様々な密度推定法が用いられてきた。しかし、これらの手法は膨大な調査努力量を必要とする。また、ハビタットの種類や調査時期、捕獲による人為的攪乱などは森林地域でのシカの観察率に影響を与える。そこで、シカへの環境攪乱の少ないカメラトラップ法による密度推定の有効性について、確度の高い生息数推定値が得られている北海道洞爺湖中島(以下、中島)の閉鎖個体群および季節移動のある支笏湖の開放個体群で検討した。<br>その結果、中島での推定密度は確度の高い推定値と相関関係を示し、密度操作実験による個体数の減少を検出することができた。一方、支笏湖での推定密度は5-6月や10月で高く、12-3月で低い明確な季節変動パターンを示した。メス(5-6月)やオス(10月)の撮影頻度の増加と全ての性・齢クラス(12-3月)の撮影頻度の低下が、推定密度に影響を与えた。以上の結果、カメラトラップ法は森林地域での観察率や捕獲の影響を考慮し、シカ個体群の密度を推定することが可能であると考えられる。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680686321152
  • NII論文ID
    130005490873
  • DOI
    10.11519/jfsc.126.0_354
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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