コヒーレント構造Smagorinskyモデルを用いた微気象場の数値計算手法

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タイトル別名
  • Computational Method for Micrometeorological Field usign Coherent-structure Smagorinsky Model

抄録

温度差や密度差のある流体中の乱れによる熱や物質の拡散現象は,大気中や海洋中でごく普通に見られる現象であり,例えば局地的な集中豪雨や大気汚染物質の高濃度化に係わる重要な現象の一つである.このような非等温場における拡散現象の挙動や乱流構造を理解することは,集中豪雨の早期予測や大気汚染の緩和に役立つものと考えられる.また,近年,増加傾向にある集中豪雨は数km程度の範囲で1時間程度の間に発生する時空間的にスケールの小さな現象である.このような現象を解析する有効な手段の一つとして,非等温場での非定常な乱流構造を詳細に捉えることができるLES (Large Eddy Simulation) が挙げられる.<br> 本研究では微気象場の乱流による熱輸送や水蒸気輸送を解析するために,LESの数値計算手法を開発した.サブグリッドスケール (SGS) の乱流モデルにはKobayashi (2005) が提案したコヒーレント構造Smagorinskyモデル(CSM) を適用した.この乱流モデルの特徴は,ある時間や場所ごとの乱流構造に応じてモデル係数を自動的に与えることができ,数値的な安定性にも優れるという点にある.<br> まず,構築した乱流モデルの妥当性を確認するため,チャンネル乱流やバックステップ流れの問題に適用した.次いで,本手法の熱輸送や水蒸気輸送に対する妥当性を確認するため,Siebesma et al.(2003)が行った境界層積雲に対するLESの結果と比較した.その結果,いずれも概ね妥当な結果が得られており,本手法の微気象場における熱輸送や水蒸気輸送の解析に対する有効性が示された.

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詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390001205711639808
  • NII論文ID
    130005491820
  • DOI
    10.11520/jshwr.28.0_100011
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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