ニワトリ凍結融解精子の生存性へ及ぼすコレステロール充填の効果 Cholesterol addition improved sperm survivability after cryopreservation in chicken sperm

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抄録

【目的】精子の凍結融解(FT)処理による細胞膜の特性変化は,受精能低下を招く 一因である。最近我々は,ニワトリ精子においてFT処理による細胞膜からのコレステロール流出が,受精能低下を引き起こす起点となる可能性を報告した。今までに,様々な哺乳動物において精子にコレステロールを充填することで凍結融解後の傷害を阻止できることが知られているが,鳥類における報告はない。本研究では,鳥類精子の新規凍結保存法の開発を目的とし,ニワトリ精子へのコレステロール充填がFT後の生存性に及ぼす影響について調べた。【方法】性成熟ロードアイランドレッドの新鮮精子を0,0.5,1.5,3および6 mg/ml コレステロールあるいは1.5 mg/ml BODIPY-コレステロール充填シクロデキストリン(CLCあるいはB-CLC)で15分間処理した。実験1: FT後のCLC処理精子において細胞膜のコレステロール量を調べた。実験2: FT後のCLC処理精子においてPropidium IodideおよびFITC-Peanut agglutininを使って生存性および先体部の正常性を調べた。実験3: B-CLC処理により新鮮精子へ挿入されたコレステロールの局在を調べた。【結果】実験1: 精子細胞膜におけるコレステロール量はCLC濃度に依存して増加した(2.2〜5.0 μg)。実験2: FT精子の生存性は1.5 mg CLC処理区において他処理区と比較して有意に高かった(71.8%対4.3〜48.5%)。先体部の正常性は0〜1.5 mg CLC処理区間に差は認められなかったが(75〜79.5%),3〜6 mg CLC処理区では濃度依存的に低下した(49.3〜60.3%)。実験3: B-CLC処理によって挿入されたコレステロールは特に精子頭部に集中的に局在していた。【結論】1.5 mg/ml CLCを使ったニワトリ精子細胞膜へのコレステロールの充填は,FT後の精子生存性を向上させることが明らかとなった。

収録刊行物

  • 日本繁殖生物学会 講演要旨集

    日本繁殖生物学会 講演要旨集 108(0), OR2-23-OR2-23, 2015

    日本繁殖生物学会

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