体細胞クローンマウス精子のDNAメチル化異常の検出
書誌事項
- タイトル別名
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- Detection of DNA Methylation Errors in Sperm of Somatic Cell Cloned Mice
抄録
【目的】生殖系列におけるリプログラミング機構は,受精を介して全能性を獲得する卵子と精子を生じさせる。体細胞クローン技術は,終末まで分化した細胞に全能性を再獲得させるが,産子への発生率は低く,頻繁に胎仔・胎盤の形成異常を伴うことが知られている。体細胞クローンマウスではエピジェネティックな異常が見られることが報告されている。本研究では,クローンマウス精子の包括的DNAメチローム解析を実施し,DNAメチル化の正常性について検討した。 【方法】BDF1マウスの尾端線維芽細胞をドナーとして用い,同系統の除核卵に核移植し,7匹の正常な表現型を示すクローンマウスおよび5匹のBDF1野生型マウスから得られた精子をサンプルとした。DNAメチル化解析は,Post-bisulfite adaptor tagging法を用いたターゲットメチロームシークエンス法により実施し,メチル化に関係する領域についてのメチロームデータを作成した。23021個のCpGアイランドとそれらのアイランドショアについて,野生型から外れ値を除いて平均化したものとクローンの各個体との間でメチル化率が統計学的に有意な差異を示す領域を抽出した。 【結果】既知のインプリント制御領域(ICR)のメチル化率は,リードがマッピングされた2個の父方メチル化ICRにおいて,クローン全個体で95%以上,19個の母方メチル化ICRにおいて6%以下であり,これらの領域は正常にリプログラムされていること確認された。全CpGアイランド中で統計学的に有意にメチル化率が異なる領域について,クローンが野生型に対して高メチル化となる領域が5個体に計11領域,低メチル化となる領域が3個体に計16領域検出された。さらにCpGアイランドショアについても同様の解析により,高メチル化領域が3個体に計6個,低メチル化領域が1個体に計3個検出された。本研究の結果から,生殖細胞系列におけるリプログラミングの影響を受けにくい領域の存在が示唆された。
収録刊行物
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- 日本繁殖生物学会 講演要旨集
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日本繁殖生物学会 講演要旨集 108 (0), P-82-P-82, 2015
公益社団法人 日本繁殖生物学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001205714138496
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- NII論文ID
- 130005492104
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可