中高年患者の外傷性肩関節前方不安定症に対する鏡視下Bankart修復術

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抄録

50歳以上の外傷性肩関節前方不安定症に対し,鏡視下Bankart修復術により手術を行った症例を検討した.対象は当院で外傷性肩関節前方不安定症に対して手術が行われた患者6名6肩(男1肩,女5肩:手術時平均年齢は63歳).術前脱臼回数は平均5回.術前MRIで腱板大断裂3肩,広範囲断裂1肩を認めた.BIOKNOTLESS® Anchorを用いた鏡視下Bankart修復術を全例施行,手術所見,術後成績について検討した.関節窩前下方の摩耗・骨欠損,Hill-Sachs損傷,Bankart損傷は全例で認めた.関節包断裂は2例で認め,修復が行われた.術後1年以上経過していた4例の平均経過観察期間は27か月であった.JOA scoreの平均は術前65.6点が術後82.8点へ,JSS肩不安定症スコアの平均は術前44点が術後79.5点へそれぞれ改善した.再脱臼や脱臼不安感の再発はなかったが,腱板断裂を伴った男性の1例で,術後1年で疼痛が出現し,可動域,機能面でも低下がみられた.

収録刊行物

  • 肩関節

    肩関節 40 (3), 838-842, 2016

    日本肩関節学会

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