心電図の周波数解析の立場から

  • 宮内 靖史
    日本医科大学循環器内科学(〒113-8603 東京都文京区千駄木1-1-5)
  • 植竹 俊介
    日本医科大学循環器内科学(〒113-8603 東京都文京区千駄木1-1-5)

書誌事項

タイトル別名
  • Frequency Analysis of Surface ECG in Atrial Fibrillation

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抄録

体表面心電図F波の周波数は,心房不応期を反映する.周波数は心房細動の進行とともに上昇し,6.0Hzを超えると薬理学的および電気的除細動の無効例が増えることが報告されている.われわれは,F波の周波数解析によりアブレーションの効果を予測できるか否かについて検討した.拡大肺静脈隔離(CPVI)を含むStepwise approachでカテーテルアブレーションを行う持続性AF症例を対象とし,12誘導心電図のF波と心内電位をFast Fourier Transform(FFT)にて周波数解析した.F波のdominant frequency(DF)は心内電位のDFと有意に相関し,特に左心耳と四肢誘導,右心耳とV1誘導のDF間で強い相関を示し,II誘導(DF<5.9Hz)および左心耳(DF<6.1Hz)のDFがCPVI中にAFが停止する有意な予測因子であった.また,左心耳のDFは,追加焼灼中のAF停止(DF<6.4Hz)および術後洞調律維持(DF<7.0Hz)の有意予測因子であった.これら自験例の報告を含め,周波数解析により何がわかるかを概説する.

収録刊行物

  • 心電図

    心電図 36 (2), 161-166, 2016

    一般社団法人 日本不整脈心電学会

参考文献 (15)*注記

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