高齢期の視覚聴覚二重障害者 (盲ろう者) の障害程度とコミュニケーション状況に関する全国実態調査

• 前田 晃秀

  東京都盲ろう者支援センター

• 廣田 栄子

  筑波大学大学院人間総合科学研究科

書誌事項

タイトル別名

• National Survey of Impairment Level and Communication Status with Dual Sensory Loss in Later Adulthood

抄録

要旨: 全国97自治体の協力を得て実施した実態調査により得た高齢期の盲ろう者2,018名のデータをもとに, 障害やコミュニケーションの状況について検討した。<br>　その結果, 高齢期の盲ろう者は, 視覚・聴覚いずれも後天的に受障した者が74.6%を占め, 聴覚活用が可能な弱視難聴は46.1%, 全盲難聴は25.6%, 聴覚活用が困難な全盲ろうは10.3%, 弱視ろうは8.9%であった。 補聴器の受給は46.4%に止まり, 難聴で補聴器を受給している者であっても初対面者の発話が理解可能なものは半数に過ぎなかった。 さらに, 全盲ろう者では, 会話頻度が月2日以下の社会的な孤立状況にある者が32.4%を占めていた。<br>　盲ろう者に関わる各種専門職が連携して, 障害の程度や受障の経緯に応じ, 補聴や聴覚活用, 代替的コミュニケーション・モードやリハビリテーションに関する情報提供とともに, 専門的支援の体制化が必要であることが示唆された。

収録刊行物

• ＡＵＤＩＯＬＯＧＹ　ＪＡＰＡＮ

  ＡＵＤＩＯＬＯＧＹ　ＪＡＰＡＮ 59 (6), 632-643, 2016

  一般社団法人 日本聴覚医学会

キーワード

• 盲ろう者
• 高齢期障害
• コミュニケーション
• 全国調査

詳細情報

• CRID: 1390001204845839872
• NII論文ID: 130005606452
• DOI: 10.4295/audiology.59.632
• ISSN: 18837301
• ISSN: 03038106
• Web Site: https://www.jstage.jst.go.jp/article/audiology/59/6/59_632/_pdf
• 本文言語コード: ja
• データソース種別:
  • JaLC
  • Crossref
  • CiNii Articles
• 抄録ライセンスフラグ: 使用不可