ジャンガリアンハムスターとロボロフスキーハムスターにおける行動量と脳内アミノ酸ならびにモノアミン含量の差異は単離による影響を受けにくい

書誌事項

タイトル別名
  • Differences in activity levels as well as in brain amino acid levels and monoamine metabolisms, that exist between the Djungarian hamster(<i>P. sungorus</i>)and the Roborovskii hamster(<i>P. roborovskii</i>)are scarcely influenced by social isolation
  • Differences in activity levels as well as in brain amino acid levels and monoamine metabolisms, that exist between the Djungarian hamster (P. sungorus) and the Roborovskii hamster (P. roborovskii) are scarcely influenced by social isolation

この論文をさがす

抄録

ジャンガリアンハムスター(以下、ジャンガリアン)とロボロフスキーハムスター(以下、ロボロフスキー)はともにドワーフハムスターと呼ばれ同属でありながら、ロボロフスキーはヒトに慣れにくく多動性を示す。これまでの研究により、ジャンガリアンに比してロボロフスキーでストレス感受性が高いのではないかと仮説を立て、多動性とストレス感受性との関連性を解明することを目的とした。野生のドワーフハムスターは群れで生活するために単離ストレスがかかりやすいのではないかと考え、単離飼育を用いた。ジャンガリアンとロボロフスキーの3週齢雄を群飼で馴化した後、群飼と単飼の2つのグループに分けた。3種類の行動試験を実施し、行動量、不安様行動および社会的行動を測定した。その後得られた海馬および小脳のサンプルを用いて、L型ならびにD型アミノ酸およびモノアミンの分析を行い、さらに、血漿中コルチゾール含量の測定も行った。その結果、単飼開始初期の行動試験においては、ロボロフスキーの多動性が不安様行動を反映している可能性が得られたものの、その後の行動試験ではストレスによる影響はみられなかった。このことから、ハムスターに対し単離は弱いストレスであり、両者の行動量ならびに脳内アミノ酸およびモノアミン代謝にはほとんど影響を及ぼさないことが示唆された。

収録刊行物

関連プロジェクト

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ