現代韓国における風水地理思想の学術的評価

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書誌事項

タイトル別名
  • Academic Evaluation of Feng-shui Thought in Korea
  • 不動産・都市研究分野を中心に
  • Focus on Real Estate Sciences and Urban Studies

抄録

本報告は、現代韓国社会において、以前は「迷信」とされた風水地理思想が、どのように学術界に受け入れられ、受容されているかについて探究するものである。ここでは、その一環として、風水と現代的問題が直結する不動産・都市研究分野を中心とした研究動向を整理検討することでこの点を考察したい。<br> 2000年前後より現在までに行われたこの分野の研究を概観すると、おおまかに①アンケート等による風水認知度の調査やそれをもとにした不動産選択意思決定や地価との関連性を問うもの、②新都市開発や都市再生への風水的方案を提示するもの、③統計的技法を導入した風水の客観化・科学化を試みるもの、④不動産と都市の風水的評価モデルの研究などが見られる。 これらの研究は、風水地理思想をどのように扱うのかで大きな差があるように思われる。すなわち、風水「術」を認めて研究の前提とする研究と、現代社会での評価を考える研究である。<br> 後者の研究は、一般市民がどのように風水を認識・評価し、それがいかに不動産売買や地価に影響を与えるのかを追究するものである。これであれば学術的に必要な研究であり、かつ風水研究の新分野であると言えるだろう。<br> これらの研究は、現代韓国社会における風水地理思想の受容という点では非常に重要な内容を含んでいる。また同時にこのような研究分野が活発に行われる背景には、「在野」の風水研究者からの要請や、一般社会での風水術への関心があるものと思われる。

収録刊行物

詳細情報 詳細情報について

  • CRID
    1390282680672298496
  • NII論文ID
    130005635731
  • DOI
    10.14866/ajg.2017s.0_100227
  • 本文言語コード
    ja
  • データソース種別
    • JaLC
    • CiNii Articles
  • 抄録ライセンスフラグ
    使用不可

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