有機–無機ハイブリッド型感温性バルブ

書誌事項

タイトル別名
  • An Organic-Inorganic Hybrid Thermo-Responsive Valve
  • ユウキ-ムキ ハイブリッドガタ カンオンセイ バルブ

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抄録

細孔径が1–3 nm程度の多孔質ガラス表面にトリチオカルボネート型の連鎖移動剤を導入して,可逆的付加–開裂連鎖移動(RAFT)型ラジカル重合によるgrafting from法でポリ(N-イソプロピルアクリルアミド)(PNIPAM)のグラフトを行った.PNIPAMは水中で32°C付近に下限臨界溶液温度(LCST)を示す.PNIPAMはLCSTより低い温度で水和して広がったコンホメーションになるため,細孔が塞がれる.LCST以上で脱水和してPNIPAM鎖は収縮するため,細孔が開く.したがってLCSTより低温で細孔バルブの閉鎖により,低分子化合物の膜透過は抑制されるが,LCSTより高温で細孔バルブが開くために,低分子化合物は膜を透過する.このようにPNIPAM鎖をグラフトした多孔質ガラスは,温度による透過のオン–オフ制御を行うことができた.

収録刊行物

  • 高分子論文集

    高分子論文集 74 (3), 182-187, 2017

    公益社団法人 高分子学会

参考文献 (18)*注記

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