当初顆粒球成熟障害を呈し,ヘテロ接合性<i>ELANE</i>遺伝子変異を認めた周期性好中球減少症の一例

DOI
  • 若松 学
    名古屋第一赤十字病院小児医療センター血液腫瘍科
  • 関屋 由子
    名古屋第一赤十字病院小児医療センター血液腫瘍科 名古屋大学大学院医学系研究科小児科学・成長発達医学
  • 坂口 大俊
    名古屋第一赤十字病院小児医療センター血液腫瘍科
  • 吉田 奈央
    名古屋第一赤十字病院小児医療センター血液腫瘍科
  • 唐川 修平
    広島大学大学院医歯薬保健学研究院小児科
  • 小林 正夫
    広島大学大学院医歯薬保健学研究院小児科
  • 松本 公一
    名古屋第一赤十字病院小児医療センター血液腫瘍科 国立成育医療研究センター小児がんセンター
  • 加藤 剛二
    名古屋第一赤十字病院小児医療センター血液腫瘍科

書誌事項

タイトル別名
  • Cyclic neutropenia with heterozygous mutation of <i>ELANE</i> in a patient who showed maturation arrest at first presentation

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抄録

<p>周期性好中球減少症(CyN)および重症好中球減少症(SCN)では顆粒球成熟障害を来し,細菌感染を繰り返す.双方とも殆どの症例で好中球エラスターゼをコードするELANE 遺伝子変異が関与する.症例は1歳9か月の女児.遷延する好中球減少にて当院受診し,初診時の骨髄検査で骨髄球以降の顆粒球成熟障害を認め,さらに遺伝子検査でELANE遺伝子のインフレーム欠失(IVS4+1G>A)が同定され,SCNと診断した.しかしその後,好中球数に周期的変動を認めることから,初診時から4か月後に骨髄検査を再度施行し,骨髄球以降の顆粒球成熟障害の改善を確認した.好中球数の周期的な変動と骨髄所見より最終的にCyNと診断した.診断以降,徐々に好中球数が増加し,細菌感染の頻度も減少してきている.SCNとCyNの鑑別は好中球数の変動を細めに追跡し,骨髄検査の再検が重要と考えられる.</p>

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