多発肝腫瘤を呈し肝悪性腫瘍との鑑別に苦慮した多中心性キャッスルマン病

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タイトル別名
  • Multicentric Castleman's disease with multiple hepatic mass lesions mimicking malignant liver tumors
  • 症例報告 多発肝腫瘤を呈し肝悪性腫瘍との鑑別に苦慮した多中心性キャッスルマン病
  • ショウレイ ホウコク タハツ カン シュリュウ オ テイシ カン アクセイ シュヨウ ト ノ カンベツ ニ クリョ シタ タチュウシンセイ キャッスルマンビョウ

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抄録

<p>26歳女性。検診で貧血,低アルブミン血症,高γグロブリン血症を指摘され受診した。自覚症状はなく,血液検査では上記の他,高CRP血症,高IL-6血症,高VEGF血症を認めた。CTにて,肝右葉中心部に石灰化を伴う最大径10 cmの多発肝腫瘤と,肝門部および心横隔膜角リンパ節腫脹を認めた。肝悪性腫瘍を疑い超音波ガイド下肝生検を行ったが診断には至らず,心横隔膜角のリンパ節生検を追加したところポリクローナルな形質細胞の浸潤を認め,他疾患を除外した上で多中心性キャッスルマン病(plasma cell type)と診断した。Prednisolone 1 mg/kgを開始したところ画像上腫瘤およびリンパ節の縮小がみられ,貧血,低アルブミン血症,高CRP血症も改善し効果を認めた。肝実質に腫瘤を形成するキャッスルマン病の報告は一報告があるのみで,plasma cell typeの組織像を呈する症例報告はない。</p>

収録刊行物

  • 臨床血液

    臨床血液 58 (6), 630-636, 2017

    一般社団法人 日本血液学会

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