糖原病1a 型に破裂脳動脈瘤を合併した1 例

  • 金城 雄太
    地域医療機能推進機構星ヶ丘医療センター脳神経外科
  • 三橋 豊
    石切生喜病院脳神経外科
  • 早崎 浩司
    地域医療機能推進機構星ヶ丘医療センター脳神経外科
  • 大畑 建治
    大阪市立大学大学院医学研究科脳神経外科学

書誌事項

タイトル別名
  • Ruptured cerebral aneurysm complicated by glycogen storage disease type 1a: a case report

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抄録

<p>糖原病1a 型に破裂脳動脈瘤を合併した稀な1 例を報告する.症例は34 歳女性,20 歳時に糖原病1a 型と診断された.意識障害と左片麻痺にてくも膜下出血を発症した.右中大脳動脈分岐部に3 mm の囊状動脈瘤を認め,発症当日に脳動脈瘤クリッピング術を行った.手術時に強い脳腫脹を認め外減圧を併用した.周術期は血糖や代謝性アシドーシスの補正に留意し全身管理を行った.意識障害,左片麻痺が遷延したが徐々に改善し発症3 カ月後には杖歩行が可能となった.糖原病2型と脳動脈瘤を含む脳血管異常の合併は報告されているが,糖原病1a 型と脳動脈瘤の合併の報告は渉猟したかぎり認められなかった.脳動脈瘤の成因に関して糖原病1a 型に起因する脂質異常や高尿酸血症による動脈硬化性変化,炎症性機序の関与が考えられた.強い脳浮腫は糖原病1a 型に伴う乳酸アシドーシスが関与した可能性も推察され,周術期の血糖保持,アシドーシス補正が重要と考えられた.</p>

収録刊行物

  • 脳卒中

    脳卒中 39 (4), 287-291, 2017

    一般社団法人 日本脳卒中学会

参考文献 (17)*注記

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