経過中に菌甲を呈した <i>Microsporum gypseum</i> による難治性ケルスス禿瘡

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タイトル別名
  • An Intractable Kerion Celsi Forming a Scutulum due to <i>Microsporum gypseum</i>
  • 症例 経過中に菌甲を呈したMicrosporum gypseumによる難治性ケルスス禿瘡
  • ショウレイ ケイカ チュウ ニ キン コウ オ テイシタ Microsporum gypseum ニ ヨル ナンチセイ ケルスス ハゲソウ

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抄録

<p>83 歳の女性,関節リウマチの診断で 20 年前からステロイドを含む免疫抑制剤が投与されていた。頭部に脱毛斑が出現し,近医皮膚科を受診した。頭部の皮疹はステロイド外用で悪化し,右手背にも落屑を伴う紅斑が出現した。頭髪の毛根部,頭部と手背の皮疹部鱗屑の直接鏡検で真菌成分がみられ,ケルスス禿瘡と手白癬と診断した。真菌培養にて Microsporum gypseum が原因菌であると同定した。テルビナフィン125 mg/日の内服を開始したが,瘙痒と疼痛が悪化し,頭部に厚い黄色の痂皮,いわゆる菌甲が生じた。テルビナフィンを 250 mg/日に増量投与したところ,症状は次第に改善し,内服開始から 5 カ月後に治癒した。関節リウマチの治療により免疫抑制状態にあり,通常量のテルビナフィンに治療抵抗性を示し,さらに菌甲を形成したと考えられた。</p>

収録刊行物

  • 西日本皮膚科

    西日本皮膚科 79 (3), 260-263, 2017

    日本皮膚科学会西部支部

被引用文献 (1)*注記

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