日本の中学校理科授業は米国の授業よりも探究的か?

書誌事項

タイトル別名
  • Are Japanese Lower-Secondary-School Science Lessons More Inquiry-Oriented than U.S. Lessons?
  • 日本の中学校理科授業は米国の授業よりも探究的か? : 中学校理科教員の意識調査の日米比較研究
  • ニホン ノ チュウガッコウ リカ ジュギョウ ワ ベイコク ノ ジュギョウ ヨリ モ タンキュウテキ カ? : チュウガッコウ リカ キョウイン ノ イシキ チョウサ ノ ニチベイ ヒカク ケンキュウ
  • ―中学校理科教員の意識調査の日米比較研究―
  • —A Japan-U.S. Comparative Study on Lower-Secondary-School Science Teachers’ Attitudes through a Survey Analysis—

この論文をさがす

抄録

<p>米国においては1996年に全米科学教育スタンダードが発行されて以来, 探究を通しての理科学習は理科教育の大きな柱である。しかし, 2006年のTIMSS理科授業ビデオ研究において, 米国の中学校理科授業は事実や定義の伝達を基に展開される場合が多く, 日本の授業に比べて探究的ではないことが指摘された。本研究は日本と米国の中学校理科教員が, 探究的指導法に関してどのような意識をもっているかということを質問紙によって調査した(N=191)。「理科の探究的指導法に関する意識調査[STAIB]」という質問紙の内容を開発するにあたり, 複数の計量心理学的要素を考慮した。因子分析を行ったところ, 10個の因子が特定され, これらの因子を従属変数とする多変量解析では, 日米の違いに統計的有意差が見られた。また, 個々の因子における日米の違いを調べたところ, 日本の中学校理科教員は米国の教員よりも探究的指導に賛成する度合いが低く, 生徒の活動や質問を積極的に助けることを躊躇する傾向があることが明らかになった。得られた知見が教員養成を含め, 日米の理科教育に関して示唆することを議論する。 </p>

収録刊行物

  • 理科教育学研究

    理科教育学研究 58 (1), 41-53, 2017

    一般社団法人 日本理科教育学会

参考文献 (14)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ