窒素・炭素安定同位体を用いた新食物連鎖解析法—その現状と今後—

  • 和田 英太郎
    京都大学名誉教授 総合地球環境学研究所名誉教授 国立研究開発法人海洋研究開発機構フェロー
  • 野口 真希
    国立研究開発法人海洋研究開発機構地球環境観測研究開発センター

書誌事項

タイトル別名
  • A New Aspect on Food Chain Analyses Using N/C Isotope Ratios —Current Perspectives—
  • 安定同位体利用技術 窒素・炭素安定同位体を用いた新食物連鎖解析法 : その現状と今後
  • アンテイ ドウイタイ リヨウ ギジュツ チッソ ・ タンソ アンテイ ドウイタイ オ モチイタ シン ショクモツ レンサ カイセキホウ : ソノ ゲンジョウ ト コンゴ

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抄録

<p>我が国で著しい進展のあったδ15N, δ13Cを用いた窒素・炭素安定同位体精密測定法(SI法)による食物網解析法の進捗についてまとめた。特に,食物連鎖に見出された,窒素・炭素同位体効果に関する二つの経験則に注目し,近年のアミノ酸レベルのδ15Nに関する成果を考慮に入れて,その成立の境界条件を考察した。経験則1:栄養段階(TL)が1段階上がるごとに3.4±1.1‰高くなる事が過去の研究で示されている。この経験則は動物の筋肉タンパクについて得られているが,±1.1‰の変動について本稿で考察した。経験則2:海洋と陸域の代表的な食物連鎖について,窒素・炭素同位体効果の比(Δδ15N/Δδ13C)が動物の種類に関わらず,ほぼ一定であることが示唆されている。一般的に,食物連鎖に沿ってδ15Nはδ13Cと統計的に有意な回帰直線の関係を示す。この関係の成り立ちの可能性について代謝系の共通性から考察した。</p>

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