リバース型人工肩関節置換術術後の経時的動態解析

DOI
  • 平川 義弘
    大阪市立大学大学院 医学研究科 整形外科
  • 間中 智哉
    大阪市立大学大学院 医学研究科 整形外科
  • 伊藤 陽一
    大阪市立大学大学院 医学研究科 整形外科 伊藤クリニック・大阪ショルダーセンター
  • 池淵 充彦
    大阪市立大学大学院 医学研究科 整形外科
  • 中島 重義
    大阪市立大学大学院 工学研究科 情報処理工学研究室
  • 市川 耕一
    大阪市立大学大学院 医学研究科 整形外科
  • 松田 淑伸
    市立柏原病院整形外科
  • 清水 勇人
    長吉総合病院整形外科
  • 中村 博亮
    大阪市立大学大学院 医学研究科 整形外科

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抄録

肩関節運動は,肩甲胸郭リズムと肩甲上腕リズムの密接な関連性により構成されており,両リズムに肩甲骨運動は重要な役割を担っている.正常肩における肩甲骨の動態解析に関する報告は散見されるが,リバース型人工肩関節置換術(以下,RSA)術後の肩甲骨の動態解析に関する情報は渉猟し得ない.今回我々は,THAナビゲーションに用いられている2D-3Dマッチング法を応用し新たに開発された肩関節動態解析ソフト(以下,GANESHA)を利用して,経時的なRSA術後の動態解析を行ったので報告する.対象は当科においてRSAを施行し,術後12カ月以上の経過観察が可能であった5例5肩(女性2例,男性3例)手術時平均年齢75.2歳(70~79歳)であった.術後3カ月,術後6カ月,術後12カ月に肩甲骨面上で,自動挙上0°,30°,60°,90°にて透視下にX線撮影を行った.術前のCT画像より得られた肩甲骨の三次元画像を利用しGANESHAを利用してセミオートマティックに肩甲骨の上方回旋角,外旋角,後方傾斜角の変化量の測定を行った.術後3カ月時,術後6カ月時,術後12カ月の自動挙上30°,60°,90°における肩甲骨3次元動態解析において,上方回旋角,外旋角,後方傾斜角に有意な差はみられなかった.RSA術後の経時的な肩関節挙上運動時の肩甲骨の動態解析により,術後肩甲骨の位置は術後3カ月以降に有意な変化はみられないと考えられた.

収録刊行物

  • 肩関節

    肩関節 41 (2), 581-585, 2017

    日本肩関節学会

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