疼痛の強弱に着目した肩腱板断裂手術症例の臨床像に関する検討

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抄録

肩腱板断裂は中高年の有痛性肩関節疾患とされるが,有痛性となるメカニズムについては未だ明らかではない.今回,肩腱板断裂手術症例の術前の臨床像について,当院での手術症例を対象として検討した.手術症例108肩よりShoulder 36の疼痛ドメインにより抽出した2.5以下の強群(26肩),3.5以上の弱群(29肩)の計55肩を対象とし,年齢,性別,罹病期間,外傷歴,断裂の大きさ,肩甲下筋腱断裂の有無,および麻酔下徒手検査(EUA)での関節可動域について,2群間で比較・検討した.年齢,断裂の大きさ,肩甲下筋腱断裂の有無,およびEUAでの屈曲,下垂位・外転位外旋では有意差はなかった.性別,罹病期間,外傷歴,EUAでの外転位内旋で両群間に有意差を認め,疼痛強群で女性が多く,罹病期間が長く,外傷ありが少なく,内旋可動域が大きかった.本研究では手術例のみを対象としており,バイアスがかかっている可能性があり,限界である.

収録刊行物

  • 肩関節

    肩関節 41 (2), 494-496, 2017

    日本肩関節学会

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