高校野球選手における胸郭出口症候群 -疫学調査と病態の検討-

DOI
  • 南 昌孝
    京都府立医科大学大学院 運動器機能再生外科学(整形外科学教室)
  • 森原 徹
    京都府立医科大学大学院 運動器機能再生外科学(整形外科学教室)
  • 大西 興洋
    京都府立医科大学大学院 運動器機能再生外科学(整形外科学教室)
  • 加太 佑吉
    京都府立医科大学大学院 運動器機能再生外科学(整形外科学教室)
  • 祐成 毅
    京都府立医科大学大学院 運動器機能再生外科学(整形外科学教室)
  • 古川 龍平
    京都府立医科大学大学院 運動器機能再生外科学(整形外科学教室)
  • 木田 圭重
    京都府立医科大学大学院 運動器機能再生外科学(整形外科学教室)
  • 琴浦 義浩
    京都府立医科大学大学院 運動器機能再生外科学(整形外科学教室)
  • 藤原 浩芳
    京都府立医科大学大学院 運動器機能再生外科学(整形外科学教室)
  • 久保 俊一
    京都府立医科大学大学院 運動器機能再生外科学(整形外科学教室)

この論文をさがす

抄録

胸郭出口症候群(TOS)は,上肢のしびれや放散痛が生じる疾患である.投球時に同様の症状を訴える野球選手をしばしば経験するが,その疫学や病態は明らかでない.高校野球検診でTOSと診断された選手の疫学と病態を検討した.検診に参加した選手のうち,投球時に上肢のしびれや放散痛を自覚しWright testが陽性の選手をTOSの疑いありとした.そのうち病院を受診した選手の病態を検討した.TOSを疑われた選手は305名中13名であり,5名が病院を受診した.5名の身体所見は,肩甲骨の運動不良3例,胸椎のアライメント不良3例であった.すべての選手に運動療法を行い,2ヵ月以内に症状は消失した.野球選手のTOSは,筋の過緊張やリリース時の牽引などが原因とされている.今回経験した5例では筋の過緊張や肩甲骨下方偏位に加え,胸椎のアライメント異常が影響していると考えた.それらを改善することで症状は消失した.

収録刊行物

  • 肩関節

    肩関節 41 (2), 541-544, 2017

    日本肩関節学会

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ