臨床化学検査で用いられる色素と色原体

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タイトル別名
  • Pigments and Chromogens used in Clinical Laboratory Testing
  • リンショウ カガク ケンサ デ モチイラレル シキソ ト イロ ゲンタイ

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抄録

<p>臨床化学検査で最も利用されている測定法は吸光光度法であることから,その測定試薬には色素や色原体が多く利用されている。血清タンパクの電気泳動では支持体上に分離されたアルブミンとα1・α2・β・γ-グロブリンの染色色素にポンソーSやポンソー3Rが使われている。また,総コレステロールや尿酸など多くの血清成分の測定では,試薬として酸化酵素を作用させて生じるH2O2の発色にペルオキシダーゼの共存下で4-アミノアンチピリンとフェノールをはじめとした色原体が利用されている。さらに,酵素活性の測定では,吸光光度法で検知するために二段,三段の共役反応系を組まれている。</p><p>臨床化学検査では,試薬を多量に使うことから毒性や発がん性がなく特殊な廃液処理を必要としないことが絶対条件である。またビリルビンや酸化ヘモグロビンなどの共存色素物質が存在する。この共存物質の影響を回避する目的で二波長測光が行われるが,反応生成物と共存物質の吸収帯が異なっている必要がある。このため長波長領域に吸収帯があって安定な発色を得る反応系が研究されている。</p>

収録刊行物

  • 色材協会誌

    色材協会誌 90 (7), 244-248, 2017

    一般社団法人 色材協会

参考文献 (1)*注記

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