MDS分子病態研究の進歩

  • 原田 浩徳
    東京薬科大学生命科学部生命医科学科 腫瘍医科学研究室

書誌事項

タイトル別名
  • MDS: Recent progress in molecular pathogenesis and clinical aspects
  • MDS ブンシ ビョウタイ ケンキュウ ノ シンポ

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抄録

<p>骨髄異形成症候群(MDS)は,網羅的な遺伝子異常の解析によってその全貌が見えてきた。しかし,5q−症候群以外に遺伝子異常と病態が密接に関連付けられた病型が規定されておらず,最新のWHO分類でもいまだに細胞形態や芽球比率による分類にとどまっている。MDSにみられる遺伝子異常は発症および進展に関与しており,それぞれがどのような臨床的意義を持つのか,大規模な症例の解析によって病型による遺伝子異常頻度の違いや相互関係,遺伝子異常に基づく予後やメチル化阻害剤への反応性予測などが示された。また,MDSを含めた家族性骨髄系腫瘍が責任遺伝子によって分類されるようになった。一方,一部の変異は健常人でも加齢とともに出現し,クローン性造血がみられる。遺伝子異常の蓄積がMDS発症までにどのような分子病態を呈するのか,生物学的解明が期待される。</p>

収録刊行物

  • 臨床血液

    臨床血液 58 (10), 1941-1950, 2017

    一般社団法人 日本血液学会

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