経腹膜側方アプローチによる腹腔鏡下尿膜管摘除術

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  • ケイ フクマク ソクホウ アプローチ ニ ヨル フククウキョウ カ ニョウマクカンテキジョジュツ

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抄録

<p> 尿膜管遺残は成人の0.02-2%に認められ, 主に感染を来たした場合手術が考慮される. 経過観察しても感染の再発率は約30%であり手術は必須ではない. 本稿では経腹膜側方アプローチによる腹腔鏡下尿膜管摘除術について解説する. 使用するポートは3本が多いが4本という報告も見られる. ポートの配置は右もしくは左に縦一列に置く方法が多い. 我々は右下側臥位で左縦一列の3ポートで行っている. 12mmのカメラポートを一番頭側に置くことで尿膜管からの適切な距離が取れ, またその全長にわたって外側から描出することが可能となる. 膀胱部分切除を行う場合は膀胱縫合のため正中側に5mmポートを追加する場合もある. 手術は抗生剤治療で炎症が収まった後に施行することが多いため尿膜管=正中臍索がわかりにくいこともある. その際は側臍策の内側の構造物を剥離切除することによって結果的に尿膜管が摘出される. 尾側はあまり深追いしすぎると膀胱損傷をきたす. 切除範囲にコンセンサスはない. 画像・検尿・膀胱鏡などで膀胱内への炎症の波及が認めなければ膀胱部分切除を行わないという報告があり我々も同様の考えである. 臍に関しても合併切除を行う報告が多いが, 臍を完全に切除しなくても再発率は0-20%と高くはない. また再発率20%とした報告は5例報告のうちの第1例目で, ポート位置のテクニカルエラーによる尿膜管不完全切除が強く疑われた症例である. 我々も最近は臍切除を行わない症例が増えているが再発例を認めていない. 以上, 経腹膜側方アプローチによる腹腔鏡下尿膜管摘除術は, 尿膜管を外側から全長にわたって確認しながら摘出が可能な優れたアプローチであり, 低侵襲手術として患者のメリットも大きい.</p>

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