養護教諭の暑熱に対する関心の契機と認識:熊谷市の小・中学校を対象として  [in Japanese] Relationship with the Opportunity of Interest and Recognition for Summer Heat on Yogo Teacher:Elementary and Junior High Schools at Kumagaya City  [in Japanese]

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<br><br><b>目的:</b>環境認識は,地球的諸課題を中心に多数の研究がなされている.地球および都市規模の暑熱に関してもいくつか調査が行われ(福岡 2006など),関心程度,それと認識および行動程度との関連性が指摘されている.しかしながら,対象者は学校教育における学習者が中心で,幼少期からの記憶を含み関心の契機は明確でない.他方,地域・学校における暑熱対応は,養護教諭の医療・教育的判断が重要である.多様な地域における保健指導の方向性(長野ほか2015など)が検討される一方,これまで養護教諭の気候認識は把握されていない.本研究では,日本有数の暑熱地域である熊谷市(渡来 2011など)の小・中学校において,記憶の振り返りは最長でも初任時前後であることが想定される,養護教諭の職務上における暑熱に対する関心の契機を明らかにし,認識および指導実践との関係を示す.<br><br><b>方法</b><b>:</b>2017年3月に埼玉県熊谷市における小(29校)・中学校(16校)の養護教諭に暑熱に対する関心の契機および認識に関してアンケート調査を行った(回答率98%).熊谷市は,2007年8月16日に当時の日本最高気温(40.9℃)を観測し,暑熱対応の教育的支援や施設整備に取り組み,熱中症や風邪の予防指標分布図を行政で提供している.質問内容は暑熱の関心に関わる契機,日常および職務における気候認識(5段階評価)と指導実践(記述)である.<b><u></u></b><br><br><b>結果:</b>職務上の暑熱に対する関心の契機(市・県・国の政策,研修会等,最高気温記録以降,部活担当,熊谷市への転入・着任,市内での異動)の得点(5~1点)に対してward法によるクラスター解析を施し3つの契機群に類型化した.契機群は,市や県および国の政策で得点が高いⅠ型(政策契機群),高温を記録した事実で得点が高いⅡ型(事実契機群),および市内での異動で得点が高いⅢ型(経験契機群)である(図1).情報獲得に関する職務と日常との得点差は,政策契機群(Ⅰ)は市提供の情報で大きく,職務上で市情報を活用している.事実契機群(Ⅱ)は公開情報を,経験契機群(Ⅲ)では同僚からの身近な情報を多用している(表1).なお,事実契機群(Ⅱ)で気候に対する自己認識の得点が高い.暑熱の認識箇所の全回答割合は43%程度で,おおよそ市提供の暑熱情報と対応しているものの,認識地点分布は都心および郊外南(Ⅰ),都心(Ⅱ),都心および郊外北(Ⅲ)と契機群で異なる(図2).さらに,認識理由は市情報の活用(Ⅰ),成因による推測(Ⅱ)および経験(Ⅲ)で認識プロセスも異なっている.実践指導に差異は認められないが,地域ごとに気候対応が求められる近年において,養護教諭の情報活用や気候認識を活かした実践指導の必要性を本研究結果は示している.

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  • Proceedings of the General Meeting of the Association of Japanese Geographers

    Proceedings of the General Meeting of the Association of Japanese Geographers 2017a(0), 100025, 2017

    The Association of Japanese Geographers

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