肝静脈血栓・肺動脈塞栓を伴ったアメーバ性肝膿瘍の1例

書誌事項

タイトル別名
  • A case of amebic liver abscess complicated by hepatic vein thrombus and pulmonary embolism
  • 症例報告 肝静脈血栓・肺動脈塞栓を伴ったアメーバ性肝膿瘍の1例
  • ショウレイ ホウコク カン ジョウミャク ケッセン ・ ハイ ドウミャク ソクセン オ トモナッタ アメーバセイ カン ノウヨウ ノ 1レイ

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抄録

<p>65歳男性.発熱,下痢を認め,2016年7月に当科受診した.造影CTにて肝S8に最大径49 mmの腫瘤を認め,同腫瘤より連続する静脈枝から中肝静脈と両肺動脈に造影欠損域を認めた.以上より,肝膿瘍,肝静脈血栓・肺動脈塞栓症の診断で入院となった.第1病日よりビアペネム投与を開始し,第3病日に播種性血管内凝固症候群を疑い,血栓・塞栓症の治療も兼ねてダナパロイドナトリウムを開始した.しかし,改善が乏しいことから第5病日に経皮経肝膿瘍ドレナージを施行し,ドレナージtubeを留置した.肝膿瘍の細菌培養が陰性であり,抗生剤の反応性が乏しいことからアメーバ性肝膿瘍を疑い,第6病日よりメトロニダゾール投与を開始したところ,病状の改善を認め,血中赤痢アメーバ抗体値の結果よりアメーバ性肝膿瘍と診断した.肝静脈内血栓症を伴うアメーバ性肝膿瘍では,肺動脈塞栓の合併を念頭においた診断,治療が必要と考えられた.</p>

収録刊行物

  • 肝臓

    肝臓 58 (10), 574-581, 2017

    一般社団法人 日本肝臓学会

参考文献 (11)*注記

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