新規HIV-1感染症治療薬エムトリシタビン/テノホビル アラフェナミド200/10 mgおよび200/25 mg(デシコビ配合錠LT,HT)の薬理学的特徴と臨床試験成績  [in Japanese] Pharmacological properties and clinical findings of new drugs for the treatment of HIV-1, FTC/TAF 200/10 and 200/25 mg (Descovy<sup>®</sup> Combination Tablet LT and HT)  [in Japanese]

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Abstract

<p>デシコビ配合錠(DVY)は,1錠中にテノホビル アラフェナミド(TAF)とエムトリシタビン(FTC)を含む配合錠である.TAFとFTCはいずれも核酸系逆転写酵素阻害薬(NRTI)と呼ばれ,HIV-1逆転写酵素によりウイルスRNAからDNAが合成される過程を阻害することでHIV-1の増殖を抑制する.これまで広く使用されてきたNRTIとして,テノホビル ジゾプロキシルフマル酸塩(TDF)がある.TDFはNRTIであるテノホビル(TFV)の経口吸収性を改善した第一世代のプロドラッグである.一方,TAFはTFVの第二世代のプロドラッグとして開発された.TDFは血漿中で不安定であるのに対し,TAFは血漿中でより安定であり,効率的に標的細胞内に取り込まれる.そのためTDFよりも低い投与量で,TFVの高い標的細胞内濃度が得られ,その一方で血漿中のTFV濃度は低く抑えられる.その結果,TAFは優れた抗ウイルス作用を発揮すると共に,TDFの腎臓や骨への影響といった安全性上の懸念を低減したプロファイルを有する.DVYにはTAFの含有量の違いにより2規格があり,他の抗HIV薬と併用投与する際に,コビシスタット(COBI)またはリトナビル(RTV)と併用する場合はDVY LT(FTC:200 mgおよびTAF:10 mgを含有)を,COBIまたはRTVと併用しない場合はDVY HT(FTC 200 mgおよびTAF 25 mgを含有)を用いる.HIV-1の実験室株および臨床分離株を用いたin vitro試験において,TAFおよびFTCはHIV-1の広範なサブタイプおよびHIV-2に対して阻害活性を示した.他クラスの抗HIV薬との併用試験において,これら2剤はそれぞれ相加または相乗効果を示し,併用による拮抗作用は認められなかった.抗HIV薬による治療経験があり,ウイルス学的に抑制されている成人HIV-1感染症患者を対象として,FTC/TDF含有レジメン(FTC/TDF+キードラッグ)からDVY含有レジメン(DVY+キードラッグ)へ切り替えた場合の有効性および安全性を評価する第Ⅲ相臨床試験において,有効性の主要評価項目である投与48週時点のウイルス学的成功率は,DVY+キードラッグ投与群で94.3%,FTC/TDF+キードラッグ継続投与群で93.0%であり,非劣性であることが検証された.また,良好な忍容性および安全性が確認された.その他,DVYの有効成分を含むゲンボイヤ配合錠について,抗HIV薬による治療経験がない成人患者,抗HIV薬による治療経験がありウイルス学的に抑制されている成人患者,軽度から中等度の腎機能障害がある成人患者および抗HIV薬による治療経験がない12歳以上18歳未満で体重35 kg以上の小児患者など様々な患者集団を対象とした第Ⅲ相臨床試験を行い,いずれにおいても有効性および安全性が確認された.DVYは抗HIV治療ガイドラインにおいて,初回治療として選択すべき推奨薬のひとつに挙げられており,今後のHIV治療に大きく貢献することが期待される.</p>

Journal

  • Folia Pharmacologica Japonica

    Folia Pharmacologica Japonica 150(5), 251-260, 2017

    The Japanese Pharmacological Society

Codes

  • NII Article ID (NAID)
    130006198408
  • NII NACSIS-CAT ID (NCID)
    AN00198335
  • Text Lang
    JPN
  • ISSN
    0015-5691
  • NDL Article ID
    028659373
  • NDL Call No.
    Z19-247
  • Data Source
    NDL  J-STAGE 
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