特発性心室細動トリガー期外収縮の焼灼が有効であった冠攣縮誘発試験陽性症例

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  • A case of successful catheter ablation for premature ventricular contraction triggering ventricular fibrillation, and positive test of vasospastic angina

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抄録

<p> 意識消失発作で搬送された30歳代の男性. 心エコー・MRI検査は正常で, ピルジカイニド試験も陰性であった. 心臓カテーテル検査の左室機能は正常で, 冠動脈に狭窄はなかったが, 冠攣縮誘発試験で右冠動脈近位部に99%狭窄が誘発された. またプログラム電気刺激で心室細動が誘発された. カルシウム拮抗薬とICD治療で退院したが, 心室細動の頻回発作で再入院した. 心室細動は同一波形と思われる期外収縮から生じていたが総数が少なく, 各種薬剤負荷でも期外収縮の誘発は困難であった. ペースマッピングでアブレーションを施行したところ当日夜に心室細動が頻回に生じ, 契機となる期外収縮の12誘導心電図が記録できた. 心室細動発症に先行してのST-T変化はなかったが, 胸部誘導にはJ波が記録されていた. 同波形に2回目のアブレーションを行い, 以降は心室細動の再発を認めていない. 冠攣縮試験陽性の特発性心室細動で, ICDメモリと発作時心電図が治療に役立った.</p>

収録刊行物

  • 心臓

    心臓 48 (SUPPL.1), S1_7-S1_14, 2016

    公益財団法人 日本心臓財団

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