複雑怪奇なリン酸化タンパク質タウのPhos-tag解析

DOI Web Site 参考文献9件 オープンアクセス
  • 木村 妙子
    放射線医学総合研究所・脳機能イメージング研究部 首都大学東京・理工学研究科・生命科学専攻
  • 久永 眞市
    首都大学東京・理工学研究科・生命科学専攻

書誌事項

タイトル別名
  • Phos-tag SDS-PAGE analysis of complicated phosphorylation of a neurodegenerative disease protein tau

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抄録

<p>タウは脳で発現する微小管結合タンパク質であり,また,タウオパチーと呼ばれる神経変性疾患群では高リン酸化(40箇所以上)され,凝集体を形成している.タウのリン酸化については非常に多くの報告があるが,リン酸化の実態は明確ではない.というのは大部分がリン酸化抗体を用いた研究で,定量的リン酸化アイソタイプという概念が欠けている.そのため理解に苦しむような結果も多い.本研究内ではPhos-tag法を用いて多数のリン酸化アイソタイプとして存在する培養細胞タウから病態タウについての解析も行った.培養細胞に強制発現させたタウは10以上のアイソタイプとして存在し,前頭側頭葉型認知症(FTDP-17)のR406W変異タウは特定のリン酸化に影響を与えたこと,脳内では非リン酸化のタウがある程度存在することがわかった.Phos-tag法はリン酸化部位の多いタンパク質の解析にも有用であった.</p>

収録刊行物

  • 電気泳動

    電気泳動 61 (2), 49-52, 2017

    日本電気泳動学会

参考文献 (9)*注記

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