P2-10 慢性腸炎マウスモデルにおけるベルベリンの改善効果と作用機序の検討

  • 高原 政宏
    岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 消化器・肝臓内科学
  • 高木 章乃夫
    岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 消化器・肝臓内科学
  • 平岡 佐規子
    岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 消化器・肝臓内科学
  • 池田 愛璃
    岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 消化器・肝臓内科学
  • 足立 卓哉
    岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 消化器・肝臓内科学
  • 松下 浩志
    岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 消化器・肝臓内科学
  • 小池 和子
    岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 消化器・肝臓内科学
  • 岡田 裕之
    岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 消化器・肝臓内科学

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抄録

<p>【背景】生薬であるベルベリン(BBR)は下痢止めとして臨床応用されているが,抗炎症など多彩な作用も有することが明らかになっている.BBRは細胞のエネルギーの調節因子であるAMPKを活性化させることが知られており,近年,このAMPKがT細胞を含む免疫細胞の応答に関わっていることが報告されている.【目的,方法】慢性腸炎マウスモデルを用いて,大腸炎粘膜のCD4+T細胞(LP CD4+T細胞)におけるBBRの抗炎症作用とその機序についての検証をin vitroおよびIn vivoで行う.1)CD4+CD45RBhighT細胞移入腸炎マウスのLPCD4+T細胞をPMA/Ionomysinで刺激し,IFN-γ産生細胞を誘導,BBRの効果について,AMPKの関与も含めて検討.2)上記腸炎マウスにBBRを含んだ餌を投与し,腸炎の抑制効果について検討.【結果】1)LP CD4+T細胞はBBRと共培養すると,IFN-γ産生細胞が優位に低下し,ウェスタンブロッティングでは,AMPKの活性化を認めた.次に,AMPKのagonistとantagonistを用いた培養系でIFN-γの産生を調べたところ,agonistで抑制,antagonistで増加を認めた.以上から,BBRにより活性化されたAMPKがIFN-γを制御していることが示唆された.2)上記腸炎マウスにBBRを経口投与した結果,腸炎は優位に抑制された.【結論】BBRは,慢性腸炎マウスモデルの腸炎を抑制し,その作用機序の一つとしてAMPKを介した機序が示唆された.</p>

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