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抄録
<p>【背景】生薬であるベルベリン(BBR)は下痢止めとして臨床応用されているが,抗炎症など多彩な作用も有することが明らかになっている.BBRは細胞のエネルギーの調節因子であるAMPKを活性化させることが知られており,近年,このAMPKがT細胞を含む免疫細胞の応答に関わっていることが報告されている.【目的,方法】慢性腸炎マウスモデルを用いて,大腸炎粘膜のCD4+T細胞(LP CD4+T細胞)におけるBBRの抗炎症作用とその機序についての検証をin vitroおよびIn vivoで行う.1)CD4+CD45RBhighT細胞移入腸炎マウスのLPCD4+T細胞をPMA/Ionomysinで刺激し,IFN-γ産生細胞を誘導,BBRの効果について,AMPKの関与も含めて検討.2)上記腸炎マウスにBBRを含んだ餌を投与し,腸炎の抑制効果について検討.【結果】1)LP CD4+T細胞はBBRと共培養すると,IFN-γ産生細胞が優位に低下し,ウェスタンブロッティングでは,AMPKの活性化を認めた.次に,AMPKのagonistとantagonistを用いた培養系でIFN-γの産生を調べたところ,agonistで抑制,antagonistで増加を認めた.以上から,BBRにより活性化されたAMPKがIFN-γを制御していることが示唆された.2)上記腸炎マウスにBBRを経口投与した結果,腸炎は優位に抑制された.【結論】BBRは,慢性腸炎マウスモデルの腸炎を抑制し,その作用機序の一つとしてAMPKを介した機序が示唆された.</p>
収録刊行物
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- 日本臨床免疫学会会誌
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日本臨床免疫学会会誌 40 (4), 311b-311b, 2017
日本臨床免疫学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001204653032832
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- NII論文ID
- 130006219569
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- ISSN
- 13497413
- 09114300
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- Crossref
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可