19世紀アメリカのハイスクールにおける「植物学」の変遷過程の研究

書誌事項

タイトル別名
  • A Historical Study of Botany Education in 19<sup>th</sup>-Century American High Schools
  • 19セイキ アメリカ ノ ハイスクール ニ オケル 「 ショクブツガク 」 ノ ヘンセン カテイ ノ ケンキュウ

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抄録

<p>本研究は19世紀のアメリカ合衆国におけるハイスクール教科「植物学」(botany)の変遷過程を解明するものである。当時用いられていた「植物学」教科書や各種史料を用いて研究を行った結果, 1826年にハイスクール教育課程に導入されてから, 19世紀の間に学習のねらい, 方法, 内容等の特徴によって大きく2度の変化が確認できた。全体として, 宗教的なものから科学的な物の見方を育てようとする方向への学習のねらいに関する変化, また, 多くの種に関する網羅的な扱いから生徒にとって身近な植物を中心とした扱いへの変化, 毒性や薬効のようなヒトの身体への影響に関する記述の縮小等の学習内容の変化, 問答形式から実習への学習方法の変化が確認された。また, これらの変化は, 学問としての植物学の成熟, 科学と宗教の分離, 形式陶冶思想, 高等教育の影響等の要因によって解釈された。今後の課題として, 19世紀末から20世紀初頭に生物学系の諸教科が「生物学」へと収斂する過程を明らかにすることの必要性があげられた。</p>

収録刊行物

  • 理科教育学研究

    理科教育学研究 58 (2), 147-158, 2017

    一般社団法人 日本理科教育学会

参考文献 (8)*注記

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