難治性腹水に対し腹腔-静脈シャントが著効した多発性肝腎囊胞症の1例

書誌事項

タイトル別名
  • Successful Peritoneovenous Shunt Against Refractory Ascites in Polycystic Disease of the Liver and Kidney─Report of a Case─

抄録

<p>症例は44歳の男性で,9年前に多発肝囊胞を伴った常染色体優性多発性囊胞腎と診断され当院内科で経過観察されていた.徐々に腎機能の低下を認め,尿毒症症状や腹水貯留を伴うようになり血液透析の導入目的に入院となった.透析導入するも血圧低下による透析困難症を伴い,腹水貯留も改善しなかったため腹腔-静脈シャント(Denver Shunt®)を造設した.術後は腹水貯留が消失し,透析中の循環動態も安定した.術後10カ月が経過した現在,腹水の再貯留やカテーテル関連の合併症も認めていない.常染色体優性多発性囊胞腎に合併した多発性肝囊胞による難治性腹水に対し,Denver Shunt®造設の著効例は稀少であり,若干の文献的考察を加え報告する.</p>

収録刊行物

参考文献 (5)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ