EPR効果からCAST療法へ
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- 松村 保広
- 国立がん研究センター 先端医療開発センター 新薬開発分野
抄録
EPR効果による高分子の腫瘍集積性と、高分子故の腫瘍内間質バリアによる浸透性低下というジレンマを解消すべく、がん細胞表面特異的抗体ではなく、がん間質に存在する不溶性フィブリンのみを認識する抗体に抗がん剤を付加するAntibody Drug Conjugate (ADC)を作成することに成功した。このADCは腫瘍血管から漏出し、血管周囲の間質に選択的に集積し、そこで足場を作り、非酵素的に徐放的に低分子抗がん剤をリリースすることで間質バリアを簡単に通り抜けがん細胞に到達し、また腫瘍血管内皮細胞にも到達し、両方にダメージを与えることが判明した。このがん間質ターゲティング治療をCancer Stromal Targeting (CAST) therapyと命名した。
収録刊行物
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- ファルマシア
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ファルマシア 54 (1), 1-1, 2018
公益社団法人 日本薬学会
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詳細情報 詳細情報について
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- CRID
- 1390001204501106944
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- NII論文ID
- 130006301375
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- ISSN
- 21897026
- 00148601
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- 本文言語コード
- ja
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- データソース種別
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- JaLC
- CiNii Articles
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- 抄録ライセンスフラグ
- 使用不可