5 歳児発達健診における発達障害の疫学

  • 斉藤 まなぶ
    弘前大学大学院医学研究科神経精神医学講座
  • 吉田 恵心
    弘前大学医学部附属子どものこころの発達研究センター
  • 坂本 由唯
    弘前大学大学院医学研究科神経精神医学講座
  • 大里 絢子
    弘前大学大学院医学研究科神経精神医学講座 弘前大学医学部附属子どものこころの発達研究センター
  • 足立 匡基
    弘前大学医学部附属子どものこころの発達研究センター
  • 安田 小響
    弘前大学医学部附属子どものこころの発達研究センター
  • 栗林 理人
    弘前大学医学部附属子どものこころの発達研究センター
  • 中村 和彦
    弘前大学大学院医学研究科神経精神医学講座 弘前大学医学部附属子どものこころの発達研究センター

書誌事項

タイトル別名
  • Epidemiology of Developmental Disorder in a community-based population sample of five-year-old children
  • 5サイジ ハッタツケンシン ニ オケル ハッタツ ショウガイ ノ エキガク

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抄録

近年,ASD の有病率は 10 年で 120%も増加している。さらに,CDC は 2015 年には NHIS による調査で,2014 年の 3 ~ 17 歳の ASD の有病率は 2.24%(45 人に 1 人)であり,2011 ~ 2013 年の有病率 1.25%より有意に増加したと報告している。発達障害の疫学調査は,対象年齢,調査手法,診断基準などが統一されておらず,単純な比較で ASD の有病率の変化を論じることはできない。また,生物学的な研究からは endophenotype(中間表現型)が存在する可能性も示唆されている。海外においては,ASD の早期診断に関して,コミュニティにおける行動的な評価およびバイオマーカーを用いた生物学的な評価をバランスよく取り入れた手法が構築されつつある。わが国においても科学的な早期診断手法を取りいれた健診の実施が望まれる。ASD の生物学的特性を正確に,できるだけ非侵襲的に評価することが今後も課題である。

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