暗算と語想起による注意分散が視覚誘発脳磁界に及ぼす影響

書誌事項

タイトル別名
  • The effects of divided attention on visual evoked magnetic fields during mental arithmetic tasks and a verbal fluency task
  • アンザン ト ゴ ソウキ ニ ヨル チュウイ ブンサン ガ シカク ユウハツ ノウ ジカイ ニ オヨボス エイキョウ

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抄録

<p>内因性の注意分散が視覚誘発脳磁界 (VEFs) に及ぼす影響を検討した。対象は右利き健常成人14名。被検者に中央の固視点を注視させた状態で左右の半側視野に白–黒格子縞反転刺激を刺激頻度1 Hzで提示し, 暗算 (連続7減算および九九) と語想起を負荷した時のVEFsを全頭型306チャンネル脳磁計で記録した。その結果, 左半側視野刺激時に右後頭部のN75mの振幅が内因性思考課題によって低下し, また, 右後頭部のP100mの潜時が九九によって延長した。さらに, 左半側視野刺激時の高周波γ帯域律動反応 (50∼100 Hz) の頭皮上での広がりが課題遂行時に右前頭部で縮小し, 右後頭部での分布の広がりが九九によって拡大した。よって, 内因性の注意分散が視覚情報処理機能の初期段階での神経細胞の活動を抑制させると考えられた。さらに, 高周波γ帯域律動反応の分布の広がりが異なる情報処理を同時に遂行するための皮質間の機能的分散や統合の指標となると推察された。</p>

収録刊行物

  • 臨床神経生理学

    臨床神経生理学 45 (3), 137-145, 2017

    一般社団法人 日本臨床神経生理学会

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