植物工場における概日時計の科学技術  [in Japanese] Scientific Technologies Based on the Circadian Clock in Plant Factories  [in Japanese]

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Author(s)

    • 福田 弘和 FUKUDA Hirokazu
    • 日本生物環境工学会理事・大阪府立大学工学研究科機械系専攻・准教授 Department of Mechanical Engineering, Graduate School of Engineering, Osaka Prefecture University

Abstract

2017年のノーベル生理学・医学賞は,「概日時計のメカニズム解明に関する研究」に与えられた。概日時計は,24時間周期の昼夜サイクルの下,生物の活動を最適化する重要な基礎生理機構である。植物における概日時計は,光合成,成長,開花など,細胞レベルから個体レベルに至る幅広いスケールで生理代謝を調節している。概日時計の機能をシステムとしてみると,「環境情報を感知する機能」と「生理代謝を調節する機能」からなる。前者の機能は,主に物理学によってシステム機構の解明が進められ,後者の機能は,オミクス解析によって包括的かつ分子レベルでの研究が進められている。また,「生理代謝」から「環境情報」に戻る線を追加すると,Speaking Plant Approach(SPA)と呼ばれる「生体情報に基づいた高度な植物環境制御」となる。概日時計の研究の発展は目覚ましく,最近では,植物工場におけるオミクス解析や苗診断技術,生産安定化技術,そしてSPA技術にまでその研究対象を急速に広げつつある。SPAは橋本康・日本生物環境工学会名誉会長が提唱された生物環境調節学の基本概念であり,提唱から4半世紀の間,国際農業工学に大きな影響を与え続けてきた。現在,最新のICTやAIを活用した「第2世代のSPA」が愛媛大学高山弘太郎教授らにより,日蘭共同で進められている。太陽光植物工場に実装された第2世代のSPAは,トマト樹群の環境・生物ビッグデータを生み出し,全く新しい生産技術を生み出そうとしている。急速な展開が進む第2世代SPAの影響力は非常に大きく,基礎研究の面でも緊急の学術的整備を要する課題が現れている。例えば,ビッグデータに基づく生物モデリングや,そのモデルの特性解析などである。本稿では,概日時計の科学を概説した上で,植物工場における最新の生体診断・制御技術を紹介する。

Journal

  • Shokubutsu Kankyo Kogaku

    Shokubutsu Kankyo Kogaku 30(1), 20-27, 2018

    Japanese Society of Agricultural, Biological and Environmental Engineers and Scientists

Codes

  • NII Article ID (NAID)
    130006415635
  • NII NACSIS-CAT ID (NCID)
    AA12010914
  • Text Lang
    JPN
  • Article Type
    journal article
  • ISSN
    1880-2028
  • NDL Article ID
    028879384
  • NDL Call No.
    Z18-3397
  • Data Source
    NDL  J-STAGE  JASI 
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