食事摂取不良の高齢透析患者に対する栄養状態向上の試み―特別養護老人ホームにおける食事提供量の減量と汁物の追加―

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タイトル別名
  • Dietary approach to improving the nutritional status in institutionalized elderly hemodialysis patients with a poor dietary intake: a single-arm pilot study
  • ショクジ セッシュ フリョウ ノ コウレイ トウセキ カンジャ ニ タイスル エイヨウ ジョウタイ コウジョウ ノ ココロミ : トクベツ ヨウゴ ロウジンホーム ニ オケル ショクジ テイキョウリョウ ノ ゲンリョウ ト シルモノ ノ ツイカ

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抄録

<p>目的:我が国の高齢化に伴い高齢者施設に入所する透析患者は増加している.高齢透析患者に対して透析食を提供すると,透析食は塩分・水分をはじめとする制限食であることが理由で充分な食事摂取量に至らず栄養状態が低下する場合がある.今回われわれは,特別養護老人ホームに入所する高齢透析患者の食事摂取量の増加と栄養状態の改善を試みた.方法:1日の食事摂取量が50%以下で低栄養状態である7症例に対し,食事摂取量の増加を目的に主食と副食の量を半分に減らして毎食必ず汁物を付けた.その3カ月後に摂取栄養量と生化学検査における各種栄養指標を評価した.結果:食事内容を変更後,摂取熱量は864±99 Kcal(21.1±2 Kcal/Kg/day)から1220±34 Kcal(33±9 Kcal/Kg/day)へ,摂取タンパク質量は28.1±3.2 g(0.7±0.1 g/Kg/day)から38.4±1.1 g(0.9±0.02 g/Kg/day)へ有意に増加した.geriatric nutritional risk index(以下GNRIと略す)は83.5±8.3から86.1±10.2へ,血清アルブミンは3.2±0.2 g/dlから3.4±0.4 g/dlへ有意に上昇した.結論:この結果から高齢者においては,特に医療行為に限界がある高齢者施設の入所者において,食事療養基準をふまえつつも希望を優先するなどの臨機応変な対応が重要であることを実感した.</p>

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参考文献 (1)*注記

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