頭蓋底手術に対する安全性の追求:内視鏡下頭蓋底手術における適切なアプローチときれいな視野づくりのために

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著者

    • 田中 秀峰
    • 筑波大学医学医療系耳鼻咽喉科・頭頸部外科

抄録

<p> 近年, 下垂体腫瘍および頭蓋底腫瘍に対して, 経鼻内視鏡下による腫瘍摘出術の頻度が増し, 耳鼻咽喉科医が接する機会が増えている. 当院でも2010年以降, 耳鼻咽喉科医が鼻副鼻腔内の操作と内視鏡保持をし, 脳神経外科医が両手操作による腫瘍摘出をする four-hand technique による内視鏡下頭蓋底手術を行っている.</p><p></p><p> 内視鏡下頭蓋底手術において, 前頭蓋窩へのアプローチでは Draf III 型が, 中頭蓋窩に対しては蝶形骨洞の単洞化が, さらに加えて後頭蓋窩に対しては耳管を含めた上咽頭後壁の軟部組織の処理が必要になる. 腫瘍の広がりに対し0° の器具で操作可能になるよう適切なアプローチを選択し, 鼻副鼻腔の機能温存も考慮しながら, そのコリドーを作製していく. 適応拡大が進むにつれ, 開頭アプローチ, 経口内視鏡アプローチ, 経眼窩内視鏡アプローチなどを組み合わせることがあり, それぞれの適応と限界について十分理解しておく必要がある. また, 内視鏡下頭蓋底手術にはラーニングカーブがあるとされ, チームを組んで普段から頭蓋底手術に接し, さまざまな場面を乗り越え, そのチームのスキルに応じて徐々に困難症例にチャレンジしていく姿勢が, 安全に手術するうえで重要である.</p><p></p><p> 最近, 斜台の削除から錐体部の内頸動脈にアプローチして, より深部の巨大腫瘍も手術することが増えてきた. この深部操作では, 臨床で実用可能となった 4mm 径の 4K 内視鏡をはじめフルハイビジョン以上の高画質画像が, 安全な手術をする上で威力を発揮する. 内視鏡下での手術操作は, 必ずしも視野の中心部分で行うことが望ましいとは限らず, むしろ視野の辺縁で操作をする方が, 機械との干渉が防げることや, 内視鏡の広角視野を生かすことで 2D 画像でも奥行きを認識しやすくなる. 見えていない視野で操作をすると大きなトラブルにつながるため, ブラインド操作は厳禁である. きれいな視野づくりが安全な頭蓋底手術を行う上で最も大切である.</p>

収録刊行物

  • 日本耳鼻咽喉科学会会報

    日本耳鼻咽喉科学会会報 121(2), 104-109, 2018

    一般社団法人 日本耳鼻咽喉科学会

各種コード

  • NII論文ID(NAID)
    130006449183
  • NII書誌ID(NCID)
    AN00191551
  • 本文言語コード
    JPN
  • ISSN
    0030-6622
  • NDL 記事登録ID
    028871244
  • NDL 請求記号
    Z19-250
  • データ提供元
    NDL  J-STAGE 
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