下水処理水が流入する小河川における大腸菌の調査

  • 鈴木 祥広
    宮崎大学工学部社会環境システム工学科
  • 西山 正晃
    宮崎大学大学院農学工学総合研究科 山形大学農学部食料生命環境学科
  • 糠澤 桂
    宮崎大学工学部社会環境システム工学科
  • 石井 聡
    Department of Soil, Water, and Climate, BioTechnology Institute, University of Minnesota

書誌事項

タイトル別名
  • Investigation of <i><b>Escherichia coli</b></i> in Urban Steam with Inflow of Treated Wastewater
  • ゲスイ ショリスイ ガ リュウニュウ スル ショウカセン ニ オケル ダイチョウキン ノ チョウサ
  • Investigation of Escherichia coli in urban steam with inflow of treated wastewater

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抄録

<p>水環境におけるふん便指標細菌である大腸菌は, 環境中で再増殖することが知られており, 指標細菌としての妥当性が懸念されている。そこで本研究では, 下水処理水が流入する小河川において, 下水処理水の流入・混合後の流下過程における大腸菌数の変化について調査した。大腸菌のフラックスは, 上流地点と下水処理水の合計量よりも, その下流地点において増大する傾向を示した。また, 下流地点の底質で高密度の大腸菌数が検出された。そこで, パルスフィールド・ゲル電気泳動法によって大腸菌の遺伝子型の類似性を評価したところ, 上流の河川水, 河床付着物, ならびに底質から単離した大腸菌において遺伝子型の一致する株が確認された。以上のことから, 下水処理水の影響を強く受ける小河川では, 大腸菌が河床の付着物や底質に生残・蓄積しており, 再増殖する可能性も否定できないことが示唆された。河川における大腸菌数によるふん便汚染評価の解釈には, 留意する必要がある。</p>

収録刊行物

  • 水環境学会誌

    水環境学会誌 41 (2), 19-26, 2018

    公益社団法人 日本水環境学会

被引用文献 (2)*注記

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参考文献 (10)*注記

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