造影超音波検査にて評価しえた肝血管肉腫の1例

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タイトル別名
  • A case of primary hepatic angiosarcoma evaluated by contrast-enhanced ultrasonography

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抄録

症例は80代,男性.便通異常で経過観察中,肝機能異常を認め,腹部CTにて肝右葉に40 mm大の腫瘤性病変を認め入院精査となった.腹部超音波検査(US)では肝S7に40 mm大の類円形の腫瘤を認めた.腫瘤の境界はやや不明瞭,辺縁は不整,内部不均一な高エコーを呈した.Sonazoid®造影超音波検査(CEUS)では動脈優位相で腫瘤辺縁に不整にまばらな濃染,門脈優位相で辺縁から中心部に徐々に不均一な染まりを認め,後血管相10分では淡い欠損像を呈したが内部に不均一な染影像を認めた.濃染パターンは肝血管腫と類似していた.入院3ヵ月前に他臓器の評価を目的とした単純CT画像と比較すると急速な腫瘤の増大と左胃動脈領域のリンパ節転移が認められたため,肝血管肉腫が疑われた.超音波ガイド下肝腫瘍生検が施行され病理組織所見では肝血管肉腫と診断された.今回,CEUSにて評価しえた肝血管肉腫の1例を経験したので報告する.

収録刊行物

  • 超音波医学

    超音波医学 45 (2), 215-221, 2018

    公益社団法人 日本超音波医学会

参考文献 (11)*注記

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