アレルギー疾患におけるヘルパーT細胞の役割  [in Japanese] The role of helper T cells in allergic diseases  [in Japanese]

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Author(s)

    • 渋谷 和子 SHIBUYA Kazuko
    • 筑波大学医学医療系免疫制御医学研究室 Department of Immunology, Faculty of Medicine, University of Tsukuba

Abstract

アレルギーは免疫反応に基づく生体に対する全身的または局所的な障害である。最近では、我が国全人口の約2人に1人が何らかのアレルギー疾患に罹患していることが報告されており(平成28年度2月 厚生労働省健康局)、その発症機構の理解と病態の克服は重要な課題となっている。<br> アレルギーは、アレルゲンに暴露されてから症状がでるまでの時間によって、即時型と遅延型に分けられ、発症や病態に関与する免疫細胞が異なる。ヘルパーT細胞は、その産生するサイトカインによってTh1、Th2、Th17などのサブセットに分類される。IFN-γを産生するTh1は遅延型アレルギー、IL-4を産生するTh2は即時型アレルギーの病態に関与している。Th1とTh2は同一のナイーブヘルパーT細胞から機能分化するため、アレルギー病態はヘルパーT細胞サブセットの分化の方向性を決定する因子にも影響されることになる。<br> 最近、私たちはナイーブヘルパーT細胞上に発現する膜型タンパクCD155が共刺激分子として機能し、Th1分化を誘導することを見出した。また、CD155遺伝子欠損マウスに遅延型アレルギー反応を主とする接触皮膚炎を誘導すると、野生型に比較して、その病態が軽減していることを観察した。一方、即時型アレルギーのひとつである好酸球性気道炎症を誘導すると、CD155遺伝子欠損マウスでは病態の増悪を認めた。このことは、Th1を誘導するCD155の欠損に起因するTh1/Th2不均衡が、それぞれのアレルギー病態を修飾していることを示している。さらに、接触皮膚炎を発症した野生型マウスにCD155特異的中和抗体を投与したところ治療効果が認められたことより、CD155を分子標的とした遅延型アレルギーの病態制御の可能性が示唆された。<br> 本シンポジウムでは、アレルギーの発症や病態に関与するヘルパーT細胞の分化メカニズムについてCD155をはじめ最近の知見をご紹介するとともに、今後の新しいアレルギー病態制御について議論したい。

Journal

  • Annual Meeting of the Japanese Society of Toxicology

    Annual Meeting of the Japanese Society of Toxicology 44.1(0), S15-2, 2017

    The Japanese Society of Toxicology

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