酸化マグネシウム製剤の長期投与時の適正使用状況と血清マグネシウム値

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  • Long-term dosage and serum magnesium level of magnesium oxide

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抄録

<p>わが国では、高齢者が毎年、増加の一途を辿っている。高齢者では消化管の運動機能低下に伴い、便秘の患者が増加する。便秘の治療には、酸化マグネシウム(MgO)製剤が繁用され、長期投与されることが多い。MgO製剤の添付文書には、長期投与では定期的な血清Mg値を測定し、高マグネシウム(Mg)血症に対する注意喚起が図られている。本調査では、MgO製剤の適正使用の状況について調査を行った。2010年4月1日から2012年8月31日の間に長崎大学病院を受診し、MgO製剤を1年以上継続投与された613例を対象とした。全例で血清Cr値は測定され、推算GFR(eGFR:mL/min/1.73m2)の評価が可能であった。その中で血清Mg値が測定されている症例は214例(34.9%)であった。65.1%の症例で、MgO製剤投与期間中に1回も血清Mg値が測定されていなかった。血清Mg値測定回数とeGFRの間で有意な関係は認められなかった。開始時のeGFRをeGFR≧60、60>eGFR≧45、45>eGFR≧30、30>eGFRに区分し、異常高値の発現件数は、eGFRが低下するに従い、有意に増加していた。MgO製剤を長期投与している症例の65%で定期的な血清Mg値の測定されていない状況であり、薬学的介入が必要な実態が明らかとなった。</p>

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