急速な動脈瘤形成から左総腸骨動脈解離性動脈瘤破裂に至った血管型 Ehlers-Danlos 症候群の1手術例

  • 吉田 一史
    神戸市立医療センター中央市民病院心臓血管外科
  • 福永 直人
    神戸市立医療センター中央市民病院心臓血管外科
  • 小山 忠明
    神戸市立医療センター中央市民病院心臓血管外科

書誌事項

タイトル別名
  • Surgical Repair of Spontaneous Ruptured Dissection of the Left Common Iliac Artery in a Patient with Vascular Ehlers-Danlos Syndrome

この論文をさがす

抄録

<p>血管型Ehlers-Danlos症候群は,血管脆弱性のために若年のうちに血管破裂を起こしうる.今回,短期間の経過で動脈径拡大や新規動脈瘤形成を認めた血管型Ehlers-Danlos症候群の1手術例を経験したため,文献的考察を含めて報告する.症例はCOL3A1遺伝子変異を伴う血管型Ehlers-Danlos症候群の29歳男性.左正中皮静脈破裂,左腎動脈破裂,右腎動脈瘤の既往あり.受診1カ月前の造影CTでは新規動脈瘤を認めなかった.受診当日,左下腹部痛で搬送され,造影CTで左総腸骨動脈解離性動脈瘤破裂と診断し,緊急人工血管置換術を実施した.術後造影CTでは吻合部に異常所見を認めなかったが,末梢側総腸骨動脈径拡大と新規右下殿動脈瘤と固有肝動脈瘤形成を認めた.本疾患は,血管脆弱性のため密な経過観察と画像検査が重要である.</p>

収録刊行物

参考文献 (5)*注記

もっと見る

詳細情報 詳細情報について

問題の指摘

ページトップへ