首相と党内統治

書誌事項

タイトル別名
  • The Logic of Party Governance and Ministerial Selection
  • 首相と党内統治 : 人事と造反
  • シュショウ ト トウ ナイ トウチ : ジンジ ト ゾウハン
  • 人事と造反
  • Electoral System, Cabinet Appointments, and Dissent in Japan

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抄録

日本の首相は与党内をどのように統治し,議員はそれにどのように対応しているのか。1990年代の首相,総裁権限の強化により,首相や官邸を軸とした政策決定への変化が観察されている。ただし,首相や党執行部への集権化の指摘がある一方で,首相・党首の交代を意図した党内対立も存在しており,首相-与党関係の全体像は必ずしも明らかとなっていない。本稿は1980年から2014年までの政府人事と造反を分析し,首相の党内統治のあり方を検討する。分析からは,選挙制度改革後に①主流派優遇人事の増加,②造反の増加,③人事と造反の関係の変化を明らかにする。結果として,1980年代以降の自民党政権下の党内統治のあり方は,人事権を派閥に大きく委ねつつも造反を抑止する状態から,首相への委任が安定的ではないものの,首相及び首相支持グループを軸とした党内統治へと進みつつあることを指摘する。

収録刊行物

  • 選挙研究

    選挙研究 31 (2), 32-47, 2015

    日本選挙学会

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