国内外磁性アタッチメントの基本性能に関する比較検討

DOI
  • 田中 譲治
    関東・甲信越支部(一般社団法人 日本インプラント臨床研究会)
  • 水谷 紘
    関東・甲信越支部
  • 古市 嘉秀
    関東・甲信越支部(一般社団法人 日本インプラント臨床研究会)
  • 笹谷 和伸
    関東・甲信越支部(一般社団法人 日本インプラント臨床研究会)
  • 若井 広明
    関東・甲信越支部(一般社団法人 日本インプラント臨床研究会)
  • 水口 稔之
    関東・甲信越支部(一般社団法人 日本インプラント臨床研究会)
  • 佐久間 栄
    関東・甲信越支部(一般社団法人 日本インプラント臨床研究会)
  • 星野 和正
    関東・甲信越支部(一般社団法人 日本インプラント臨床研究会)

書誌事項

タイトル別名
  • Comparison of the Basic Performance of Magnetic Attachments Fabricated Within and Outside of Japan

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抄録

<p>超高齢社会を迎え,無歯顎患者や多数歯欠損の患者においては,少数のインプラントで高い効果のあるインプラントオーバーデンチャー(以下IOD)に関心が寄せられている.その中でも,取り外しが容易でメインテナンスのしやすい磁性アタッチメントが注目されてきている.しかし,磁性アタッチメントといっても多くの種類があり,性能も異なっており,磁性アタッチメントを探究するにはその性能を知ることは不可欠である.そこで国内外の磁性アタッチメント(7種類)を入手し,その基本性能を調べて比較検討した.</p><p>その結果,吸引力において最小1.29N,最大7.68Nと大きく幅があり,体積においても最小8.6mm3,最大41.3mm3と大きく幅があった.単位体積あたりの吸引力では最小0.04,最大0.44と約10倍もの差が示された.磁性アタッチメントの磁気回路には開磁路構造と閉磁路構造があり,前者は後者に比べて吸引力が小さく,漏洩磁場は高い値を示した.耐食試験についてはSn蠟着している製品に腐食がみられたが,他は問題なかった.しかし,磁石をステンレス鋼などで覆わずに吸着面がNiメッキのみであったり,圧入だけの組立てを行っている磁性アタッチメントもあり,実際の使用に伴う物理的刺激により腐食が誘発されることが危惧された.これまでにバーやボールのアタッチメントとの比較研究が報告されているが,基本性能の劣る開磁路回路の磁性アタッチメントを用いていることが多いため,磁性アタッチメントの評価を落としていることが考えられる.閉磁路構造で耐久性も含め,基本性能の優れた磁性アタッチメントによる比較研究が待たれる.</p>

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