炎症制御における肥満細胞の役割

  • 山崎 愛理沙
    東京大学大学院 農学生命科学研究科 放射線動物科学研究室
  • 中村 達朗
    東京大学大学院 農学生命科学研究科 放射線動物科学研究室
  • 大森 啓介
    東京大学大学院 農学生命科学研究科 放射線動物科学研究室
  • 村田 幸久
    東京大学大学院 農学生命科学研究科 放射線動物科学研究室

書誌事項

タイトル別名
  • The role of mast cell in inflammation
  • エンショウ セイギョ ニ オケル ヒマン サイボウ ノ ヤクワリ

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抄録

<p>肥満細胞は免疫細胞の1つであり,顆粒を大量に含むその形態学的特徴からこの名がつけられた.この細胞は,ヒスタミンなどの炎症性物質を大量に放出(脱顆粒)することで,アレルギー性疾患の発症に関わる主な免疫細胞として長らく認識されてきた.しかし,近年研究が進み,肥満細胞は脱顆粒後に起こる種々のサイトカインやケモカイン産生・放出を通して,アレルギー性疾患以外の様々な疾患の発症や進行にも関与することが分かってきた.我々の研究室では,現在アレルギー疾患の他,創傷治癒,急性炎症,がんの発症や進行において,この肥満細胞が果たす役割の解析を進めている.特に肥満細胞が脱顆粒後に大量に産生する脂質メディエーターであるプロスタグランジンD2の役割について焦点をあてて研究を進めてきた.本稿ではその一部を紹介したい.</p>

収録刊行物

  • 日本薬理学雑誌

    日本薬理学雑誌 149 (5), 204-207, 2017

    公益社団法人 日本薬理学会

参考文献 (9)*注記

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