黄河上流域の灌漑畑における塩類の挙動と塩類除去技術の開発 [in Japanese] Behavior of salts in irrigated fields in the upper Yellow River valley and development of a technique for removing them from soil [in Japanese]
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黄河の断流(河口まで水が流れなくなる現象)が頻繁に観測されるようになった1990年代は、黄河流域の灌漑面積が急増した時期でもあった。黄河水の利用の80%以上は灌漑水と言われており、降水量の減少はあったにしても、灌漑用水の増加が黄河断流の主因であったことは間違いないと思われる。灌漑の技術とそれに関する政策の現状が今後も続くならば、2000年を基準にして、2025年までに農業用水はさらに60%以上増やす必要があると言われている。世界の食糧は多くを乾燥・半乾燥地域の灌漑農業に依存しているのである。本報では、科学技術振興機構(JST)の戦略的創造研究推進事業(CREST)の「黄河流域の水利用・管理の高持続性化」の一環として2001年度から2006年度にかけて行われた黄河上流の沖積谷における圃場灌漑実験の成果の中から、土中塩類の動態に関する観測結果とそれに基づく塩類除去方法の提案を紹介する。また、文部科学省の科学研究費補助金(海外学術調査)「根圏の塩類動態制御による砂漠化進行地域の高持続性畑作管理技術」を受けて2007年度から3年間の予定で始まったそれらの追試と技術開発実験について概説する。
Journal
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- Water Science
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Water Science 51(5), 40-51, 2007
Japan Forest Conservation Association