ニホンジカが森林土壌に及ぼす影響  [in Japanese] Effects of Sika Deer(Cervus nippon Temminck) on Forest Soil in Japan  [in Japanese]

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Abstract

近年,日本の森林域ではニホンジカ(Cervus nippon centralis Temminck,以下シカという)の分布域が拡大したり個体数が増加したりしていると指摘されている。シカの増加によって森林植生におけるシカの採食の影響が顕著になってきている。シカの採食は,剥皮による樹木の枯死(Akashi and Nakashizuka 1999),低木層と下層植生の消失(荒木・横山 2011),下層植生の種組成の変化(田村 2011),林床植生の現存量の減少(井上・小泉 1996; Yokoyama and Shibata 1998)などを引き起こすことが報告されている。シカは踏圧などで直接的に,かつ植生変化を通して間接的にも,森林土壌の物理性,養分動態,地温や土壌水分に影響を及ぼしている。さらには,そのことを通して土壌の生物にも影響を及ぼしているかもしれない。土壌は植物にとっては支持基盤であり成長に必要な養水分を供給する基盤である。また,動物にとっては土壌は住処や食物を提供する生息の基盤である。土壌の劣化は,生態系の平衡状態の転位(カタストロフィック・レジームシフト)をもたらす要因と考えられており(宮下 2008),もしカタストロフィック・レジームシフトが生じると元の生態系にもどすのが困難になると考えられている。したがって,森林生態系を維持するためには土壌を維持することが必要不可欠であると考えられる。そこで本稿では,シカが土壌へ及ぼす影響についての研究を紹介し,土壌の養分保持の観点からシカと植生と土壌と土壌生物(微生物や土壌動物)の相互作用に関する知見を蓄積する重要性を示したい。

Journal

  • Water Science

    Water Science 58(6), 78-96, 2015

    Japan Forest Conservation Association

Codes

  • NII Article ID (NAID)
    130006836923
  • NII NACSIS-CAT ID (NCID)
    AN00125003
  • Text Lang
    JPN
  • Article Type
    Journal Article
  • ISSN
    0039-4858
  • NDL Article ID
    026147187
  • NDL Call No.
    Z16-140
  • Data Source
    NDL  IR  J-STAGE 
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